|
ウイグルでのウイグル人などと漢民族などとの通婚は極めて稀(まれ)のようだ。日本にいる留学生50人ほどに聞いたが、ウイグル全体で100組あるかどうかということだった。
『新疆(しんきょう)統計年鑑 2006年版』新疆ウイグル自治区統計局 2006年6月によれば、ウイグル地区における2005年の人口は、20,103,500人となっている。このうち、漢民族は7,956,600人、回族(イスラム化した漢民族)が893,500人、残りの11,253,400人が少数民族、このなかで最大な民族がウイグル族で9,235,000人、最小な民族がタタール族(韃靼(だったん)人)で4,700人、蒙古(もうこ/モンゴル)族は171,100人、満州族が24,600人、タジク族(イラン系)が44,000人、いる。
ウイグル人に聞くと、実際には漢民族は70%くらいだというからこの資料は正確性に欠けるかもしれない。
この資料には、通婚に関するものがないから、想像で判断するほかはないが、先のウイグル留学生の話での「漢民族などとの通婚は極めて稀」とは正しいと考える。
ウイグルで経験したが、イスラム系の民族と漢民族の私的な交流はない。お互いに家を訪れることは皆無という。2004年夏にウイグルを訪れたが、タタール族(韃靼人)の友人の父君が亡くなって7日目に法事があった。「初七日」というもので、これがイスラムの慣習なのか、かっての佛教からきたものかはわからなかったが、興味深かった。やり方は日本と同じ。
亡くなってから初七日までは、家でも弔問を受ける。近くの新疆医科大学の会館を借りて法事も行われた。参列者は出たり入ったりだが、約500人、ところが漢民族は一人も来ない。喪主は大学の教員で漢民族の同僚もいる。
われわれも法事に出席したが、法事を取り仕切るイスラム導師から喪主があれは誰だと聞かれたそうだが、日本人だということで問題はなかった。その後で、なぜ、漢民族が出席しないのかと聞いた(ウイグルでは日本に留学した者が多くいる)。なかなか答えが返って来ない。一人が彼らは異教徒だという。ならば我々も漢民族と同じ仏教徒だ。しつこく聞いたが、帰ってきたのは沈黙か遠来のお客ということだった。
ウイグルに滞在中の半月でウイグルのほぼ半分(ウイグルの面積は日本の4.3倍)をそのタタール人とカザフ族と回ったが、漢民族と交流する機会は各地域の旅行案内人以外ほとんどなかった。
食堂もウイグル人専用の食堂、ウイグル人などは漢民族の食堂(中華食堂)に行かない。
食事が全く違うからだ。
通婚はないと思うが、ウイグル人などが漢民族に圧迫されていることはよく聞いた。学校は漢民族とウイグル人などに分れている(大学は漢語で教育)。漢語ができなければ仕事がないが、出来てもない。日本人には信じがたいが、新疆医科大学を出ても、ウイグル人には仕事がない。
モスク、公務員は学校の先生も含めて行けない。親方日の丸で公務員だらけだから、モスクに行く人は老人だけということになる。
ウイグル人独特の文化も認められるわけがない。
|
|