対北制裁:韓米日から韓米中の「新三角連帯」時代へ(下)
◆拉致にこだわる日本とは協力困難
こうした変化が起きた原因は大きく分けて3つある。米国の対北朝鮮政策の変化、2月の6カ国協議合意、そして安倍晋三首相の日本軍「従軍慰安婦」発言だ。国民大学の李元徳(イ・ウォンドク)教授は「米国が対北政策を 180度転換したため、拉致問題の解決が先と要求する日本は韓米と歩調を合わせるのが難しくなった」と話す。
一方、韓米日の西側「三角同盟」崩壊は、昨年7月に北朝鮮がミサイルを発射してから顕著になったとの見方もある。北朝鮮がミサイルを発射した後、日本から「北朝鮮に対し先制攻撃も可能」という発言が飛び出し、韓国政府がこれを批判したため、「引き返せない橋を渡った」(韓国側国策研究機関の研究員)という声が上がった。
また安倍首相の「従軍慰安婦」発言が争点となり、米国が日本を負担に感じているという指摘もある。米日関係に精通する韓国外交消息筋は「米国は慰安婦発言後、来月末の日本との首脳会談さえ負担に感じている」と語った。さらに靖国神社参拝問題などで誠心誠意の謝罪をしていない日本をけん制するため、韓国と中国が協調を始めてからかなり経つ。
◆当分は韓米中で協力体制
韓米日同盟のきっかけとなった韓半島の周辺事情が変わり、韓米中協力体制がクローズアップされている現在の状況は、今後しばらく続くだろうとの見方が有力だ。世宗研究所の陳昌洙(チン・チャンス)日本研究センター長は「北朝鮮強硬策で支持率を上げた安倍内閣が、今すぐ政策を変えるのは難しい。少なくとも7月22日の参議院選が終わる前までは、韓米中の協力体制が続くだろう」と話す。よって北朝鮮の核問題解決と、北東アジアの安定という面で、韓国と米中の戦略的利害関係が一致する限り、こうした状態が続く可能性があるということだ。
だが「長期的には韓米中協力体制が韓米日協力体制に取って代わるのは難しい」という見方も多い。「韓米中未来フォーラム」を主管している翰林国際大学院大学のキム・テホ教授は「韓米中協力体制が続けば、結局は韓中の利害関係の行き違いから韓国政府の影響力が小さくなり、同盟水準の協力関係に発展するのは難しいだろう」とみている。
李河遠(イ・ハウォン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
2007年03月27日19時02分
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